2025年4月4日
3月21日~24日、本研究所の一戸所長、関副所長、田中研究員が中国・陝西省にある安康学院を訪問しました。今回の訪問は、これまで中国西北農林科技大学の教授として本学との交流を積極的に推進して来た余勁教授が、2024年12月に安康学院の校長に就任したことを契機に実施されたもので、島根大学との交流協定の締結を視野に入れた、安康学院の視察と安康市周辺における研究シーズの調査を目的としています。
安康学院は陝西省南部の安康市に位置し、12 学部41専攻を持つ省級の総合大学で、約12,000人の学生と約700人の教職員が在籍しています。訪問では、余勁校長および崔暁明副校長と面会して今後の交流の方向性について協議を行うとともに、鐘生海書記を表敬する機会を得、今回の訪問を通じて相互理解を深め、今後の大学間交流に向けてともに努力することを確認しました。
学内見学では、校史館で安康学院の設立以降の歴史について紹介を受けた他、地域貢献成果展示館や、陝西省の伝承文化の展示等を見学しました。安康学院は地方都市に立地する大学として地域貢献に力を入れているということで、生態系に配慮した循環農漁業や、現地の土壌に多く含まれるセレンを利用した商品開発等、地域資源を利活用した研究開発に取り組んでいるそうです。
また、23日(日)には、安康市内の漢陰県まで足を延ばし、鳳堰古棚田移民生態博物館を視察しました。この博物館は、古代の灌漑設備を利用した棚田を軸とした集落全体を博物館とするもので、訪問時には採油用の菜の花が咲き誇っていました。自然環境を有効利用した灌漑設備が長年に渡って受け継がれていることが評価され、「世界かんがい施設遺産」に登録されたとのことで、年々観光客が増えているため、エコツーリズム実施のための設備整備や、その利益をどう地域住民と共有するかが課題であるということでした。
今回の訪問を通じて、島根大学と安康学院の共通点を認識し、多くの分野における学術交流の可能性を双方で確認することができ、実り多い訪問となりました。
![]() 余勁校長らとの面会 |
![]() 鐘書記と |
![]() 地方貢献成果展示館 |
![]() 漢陰県生態移民博物館内の棚田 |
![]() 漢陰県視察 |