2024年9月6日
8月7–10日、当研究所の一戸所長、関副所長および田中研究員が中国・西北農林科技大学を訪問しました。今回の訪問は、同学経済管理学院の余勁教授と陳暁楠副教授からの招待を受けたもので、今後の学術交流に関する対面協議と西北農林科技大学の所在地である陝西省咸陽市楊凌区内の視察を行いました。
協議では、今年度共同で実施予定の第4回六次産業化国際フォーラムの詳細確認と今後の共同研究に関する打ち合わせを行いました。共同研究については、これまで双方が取り組んできた農山村地域の地域振興について、学際的な視点から新たな評価指標を確立するための研究を共同で実施することで合意しました。
視察では、陝西省の固有種である「秦川牛」を飼養する「陝西省農牧良種場」と楊凌区が建設した「楊凌スマート農業モデル区」を見学しました。国の支援の下で、陝西省の基幹産業である農業の発展が先端技術の導入により急速に推し進められている事を実感しました。
秦川牛は中国国内でも代表的な大型の役牛・肉牛兼用品種で、陝西省農牧良種場では、種の血統保存のために秦川牛の飼養を行っています。2021年には国家農業農村部から「国家畜禽遺伝資源保種場」の認定を受け、これまでに純血秦川牛の12系統を選育し、現在275頭を飼養しているそうです。
楊凌スマート農業モデル区は、上海協力機構の支援の下に建設された施設で、当該機構の技術研修を行う場としても利用されているそうです。モデル区の面積は720ムー(約48 ha)に及び、北米地域・中東地域等、世界各地域の気候状況をハウス内に再現し、各気候に適した作物栽培を行っています。また、中央管理棟では、モデル区内の5つの農業区の作物の生育状況、環境諸元、施肥実施について、ICT技術により管理されている様子を視察しました。
今回は移動を合わせて4日間という短い訪問でしたが、先方の厚意により充実した協議・視察を行うことができました。今後も、学術交流を通して、西北農林科技大学との協力関係を深めていきたいと考えています。
協議の様子 |
経済管理学院の陳副教授らとの集合写真 |
秦川牛視察 |
楊凌スマート農業モデル区視察 |
中央管理棟 |
ブドウハウス |