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寧夏農林科学院研究者が島根県を訪問

2019年9月30日

 2019年9月25日(水)、寧夏農林科学院の研究者3名が島根県を訪問し、奥出雲町の水田農業の伝統的景観、および水田農家に視察に訪れ環境保全型農業の生産技術などを学びました。研究所の寧夏駐在員を通じて視察の要望があったもので、伊藤所長が一行を迎えました。
 今回、馮偉東氏(寧夏農林科学院農作物研究所栽培室・水稲栽培技術 研究員)、趙健氏(寧夏農林科学院農作物研究所弁公室・水稲栽培技術 主任副研究員)、強盛氏(寧夏科学技術協会弁公室・トウモロコシ栽培主任)および凌錫喆(寧夏食品安全協会部長・秘書長)の3名が訪問されました。いずれも穀物生産の専門家で、日本のコメ作りの歴史や技術を知るために、仁多米で有名な奥出雲町を視察しました。とくに馮氏は20年前に佐賀県の農業技術センターでの長期研修の経験もあり、日本の水田農業に強い関心を持っておられました。
 25日朝松江を出発し、奥出雲町ではたたら製鉄と水田との関係を知るために「絲原記念館」を見学し、また日本農業遺産に指定されている伝統的棚田地区の景観を視察しました。一行は、たたら製鉄の技術およびその原材料である砂鉄採取のために山地を切り崩し、その残土が急峻な地形を埋め立て中国山地の脊梁部に広大な水田が形成されることになった歴史を学びました。
 午後からは「環境保全型農業推進ネットワーク櫛名田姫」の代表である安部傭造氏を訪問し、環境保全型農業の意義、技術的課題などを学びました。安部氏は、「紙マルチ農法」を実践しておられ、その技術に話題が集中しました。これは鳥取大学と三菱農機で開発され、再生紙を介して田植えを行う方法で、水稲成長初期の雑草繁茂を抑えるものです。
 一行は環境保全型農業の歴史と現在の様々な技術に強い関心を示していました。




 

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