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グローバルインサイトセミナーで関副所長が講師を務めました

2021年12月8日

 11月26日(金)、本学国際交流センターと当研究所の共催によるグローバルインサイトセミナーがオンラインで行われ、本研究所の関耕平副所長が講師を務めました。グローバルインサイトセミナーは、学生・教職員の国際的な見識を深めることを目的として、グローバルな知見を有する有識者を招いて開催されるもので、今回はタイトルを「『国境を越えてさまよう廃棄物』から考えるSDGsと私たちの生活」とし、中国での現地調査の結果などを交えながら、ごみ処理問題から見える世界の構造について紹介しました。
 関副所長は財政学と循環経済・廃棄物政策が専門で、中国では農業用プラスチックの回収状況について調査研究を行っています。セミナーでは、分別にかかる人件費が安上がりで済むことなどから、日本をはじめとした先進国が大量の電子廃棄物処理などを途上国に輸出してきたこと、その処理の過程で健康被害や環境汚染が起こっていること、日本国内でも首都圏の廃棄物が地方圏へと運ばれて処理されるといった同じ構図が生じていること、そして、日本がこのまま経済的に弱い立場に置かれれば、廃棄物を押し付けられる側へと追いやられ、最終的には自分たちに返ってくることなどがわかりやすく説明されました。
 最後に紹介された、SDGs12番目の目標である「つかう責任つくる責任」に関連して、経済合理性や利益だけを追求するのでなく、企業として廃棄するまで責任を持てる生産をすること、個人としては購入時の心がけに加えて、社会の形成者・主権者として大量に廃棄物を生み出し、途上国や地方などに押し付けている社会構造を変えていく努力が必要だと強調しました。
 当研究所は、今後も様々な機会を利用して、研究成果の普及に努める所存です。

 

 

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