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西北農林科技大学を訪問しました

2019年11月11日

 2019年11月3日に開催された第17回日中国際学術セミナー後、一戸副所長は研究室の中国人留学生(許坤君)を帯同して西北農林科技大学を訪問しました。
 以前から交流している西北農林科技大学動物科技学院の陳玉林教授が副総長に就任したため、その表敬と研究交流が今回の訪問目的でした。陳教授は中国における小型反芻家畜(ヒツジ、ヤギ)研究の総括者であり、多くの人材育成と研究成果をあげている碩学です。今回、面談した陳研究室の楊雨鑫副教授も若手ながら多くの論文が海外の一流雑誌に掲載されている大変優秀な研究者です。陳教授は、前日にロシア出張から戻ったばかりで、来客対応と会議で多忙でしたが,快く面談いただけました。

 西北農林科技大学とは寧夏が誇る在来家畜「灘羊」をキーワードとして交流を続けています。科技大学が現在行っている研究内容は栄養改善に関する基礎的分野をはるかに超越しており、ゲノム編集の手法を用いた生産成績向上のための研究に着手されています。目下のところ、①灘羊脂尾に蓄えられる脂肪を筋肉内に分配させる(いわゆるサシ)技術、②単子の灘羊から最大3頭の子ヒツジを生産させる繁殖技術、③年2回分娩技術の確立と普及、④舎飼い群飼に対応した無角雄の改良、⑤子ヒツジの出生時体重を増加させる飼養技術、⑥灘羊の毛色改良技術および⑦科技大主体で灘羊飼養標準の早期作成・出版に取り組んでいるとの説明を受けました。楊副教授からの論文リストによると、①、②、④、⑥については実験成功の報告が論文として既に掲載されており、成績安定の技術が残された課題とのことでした。
 西北農林科技大の羊研究グループを日本に招き、日中国際学術セミナーはもとより日本緬羊研究会、日本畜産学会、家畜栄養生理研究会、日本分子生物学会において研究成果口頭発表の機会を設ける価値があると感じました。

 陳教授は副総長の重責の傍ら、博士課程学生の指導も継続しており、さらに国際交流関係の副総長も現在兼任されています。今回の訪問で陳教授は、「銀川と楊凌、それほど遠いとは思わないので寧夏に来た際は科技大も訪問していただきたい。島根大学が西北農林科技大実験農場で共同研究ができる様に検討したい。自分は国際交流担当も兼ねているので、近い将来、島根大学を訪問したい」と提案がありました。(許坤君 通訳)。


西北農林科技大学の陳先生、楊先生と面会

西北農林科技大学敷設の灘羊飼養農場

黒い毛色の灘羊




 

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