月  餅
 月餅は月をモチーフにした伝統的なお菓子で、「円満」を意味します。最近日本でも見かけるようになりましたが、ゴマ餡のものが主流であるように思います。中国では中に詰める餡にも、棗や蓮の実が入ったものや、かぼちゃ餡、ゆで卵入り、牛肉入り等、様々な種類があり、地域によって大きさや中身が異なるようです。日本の月餅は一年を通して売られているようですが、中国ではこの中秋の時期にしか手に入りません。中秋節の2週間程前から、スーパーには山のように月餅がならび、たくさんの人が品定めをし始めます。

 最近ではスターバックスコーヒーやハーゲンダッツアイスクリーム等国外の会社も参入し、おしゃれでおいしい月餅を販売するようになりました。しかし、一様に言えるのは「値段が高い!」こと。味にももちろん力を入れているのでしょうが、そこは中国の贈り物、とにかく見栄えがいいことが第一です。月餅そのもののデザインもさることながら、箱の豪華さには目を見張ります。その分、箱を開けてみてがっかり・・・ということもありますが。

 このような過剰な包装等を防ぐため、「月餅の包装コストが月餅そのもののコストの25%を超えてはならない」、「個包装の月餅以外の部分の容積が月餅そのものの容積の35%を超えてはならない」等と定めた『月餅強制性国家標準』という法律を中国政府が制定したほどです。

 もともと贈り物が盛んで、形式を重んじる中国ですが、経済成長の影響がこんなところにも表れているように思います。(田中)

 

 

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