2011年度研究奨励助成の対象者決まる

 島根大学と寧夏大学の学術交流20周年を記念して、島根大学によって創設された島根大学・寧夏大学国際共同研究所に係る研究者に対する研究奨励助成の2011年度(第4年度目)の対象者が決定しました。
 2011年度の応募申請は、寧夏大学から5件で、島根大学側からはありませんでした。申請された5件の内から、次の4件が助成対象に選ばれました。

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【研究分野1】寧夏南部山区と日本の中山間地域の持続的可能な発展に関する研究

葉  林 (寧夏大学農学院・施設園芸・講師)  150,000円
 <研究課題の概要>
 「寧夏南部山区の日光温室栽培に適したスイカ台木選別試験に関する研究」
  本研究は、「美利堅」、「金剛」、「嫁得金」、「抗病金」という四つのスイカの台木を導入し、地元でよく栽培されている「華鈴」というスイカの品種とそれぞれ接木試験を行い、優良品種のスイカ接木を選別する。スイカの接穂と台木の親和力、スイカ苗の活着率、立枯病に対する抵抗力、台木の根系分布状況、生産量及び品質等の主な性状に関する総合的な研究分析を行い、寧夏南部山区の日光温室栽培に適した優良な台木品種を選別し、今後のスイカ生産における普及・応用に理論的支持を提供し、農民の増産増収に確固たる根拠を提供する。

【研究分野2】生態系・環境の保護と再生に関する調査研究

王  玲 (寧夏大学農学院・動物科学学科・副教授)  150,000円
 <研究課題の概要>
 「トマトの残渣物とトウモロコシの茎の混合貯蔵飼料の効果に関する研究」
  トマトの残渣物とトウモロコシの茎を異なる比例で混ぜ合わせた貯蔵飼料をつくり、その飼料の品質を評価し、一番質の良い混合比例と貯蔵時間を確定する。

【研究分野3】農業経済と社会発展の比較に関する調査研究

江 暁紅 (寧夏大学政法学院・研究助手)  150,000円
 <研究課題の概要>
 「寧夏南部山区における農村留守婦人の生存と持続可能な発展に関する研究」
 寧夏南部山区は黄河中流の黄土丘陵地域に位置している。山が高く溝や谷が縦横にあり、土地が痩せ、水が非常に乏しいので、典型的な雨水に頼った農業地域である。劣悪な自然条件と脆弱な生態環境のせいで、経済及び農業発展が極めて立ち遅れており、一部の農民は今でも貧困から脱出していない。貧困による独特の現象として、留守婦人の人数が年々増えていることが挙げられる。
 このことは大きな社会問題となっており、農村の持続可能な発展を制限している。従って、南部山区における妻たちが「留守番」となる原因とその生活状況、婚姻関係と自立発展の難しさを深く調査・研究し、その対策と解決方法を提案して、南部山区の農村を貧困から脱出させ、持続可能な発展を実現させることは、非常に重要な意義を持つ。

藏 志勇 (寧夏大学・西部発展研究中心・博士)  150,000円
 <研究課題の概要>
 「農民工の「帰郷創業」による地域経済の振興に関する研究―中国・寧夏の事例を中心に―」
 現時点における中国経済システムの一環として、農村部の発展は不可欠である。農村地域の経済発展に役立つ農民たちがその核心となり、中国における都市化と工業化への重心となっている。
 本研究では、中国西部地域の重要地域である寧夏回族自治区における農民工の「起業者」を研究対象にし、出稼ぎ地から獲得した技術や知識および現金を出身地に持ち帰った後の起業・経営が、地域経済の振興に与える役割・影響を明らかにする。