クラレケミカル企業見学
 平成29年6月14日,寧夏大学外国語学院日本語科の学生たちと一緒に,クラレケミカル(寧夏)環境化工有限公司(以下,クラレケミカル)を訪問しました。
 クラレケミカルは,日本の株式会社クラレの炭素材料事業部を母体にもつ会社(出資金100%)で,活性炭の生産拠点として寧夏回族自治区石嘴山市に2004年4月に設立されました。現在では従業員70名余りを抱えており,うち4名が日本から駐在されています。
 訪問では,まず宇野康文総経理から,クラレと中国の関わり,及び製品紹介等のご説明を受けました。日本と中国の国交正常化の前である1965年から,クラレの合成繊維「ビニロン」の工場のプラント輸出という形で,クラレと中国との関わりが始まったそうです。現在,クラレケミカルで生産されている活性炭は,飲料水の浄水施設や,車の揮発ガソリンの吸収等,様々なところで使用されています。また,クラレケミカルが技術開発したMSC(分子ふるい炭)は,活性炭に空いている穴を利用し,空気中の酸素を取り除いて99%以上の純度の窒素を取り出す装置で,今後様々な応用が期待されているそうです。
 次に,総務部部長の于航さんや,総務部科長の陳迎春さん,寧夏大学化工学院出身で品質管理部兼技術開発部のエンジニア丁小祥さんからもお話を聞き,学生たちからは,日本企業と現地企業の違いについてや,働く時の心構え,また,日本語専門の学生として現時点で他に何を学んでおけばいいか等,様々な質問が出ていました。中でも,丁さんの,「クラレケミカルは日本の企業として,福利厚生もしっかりしているし,待遇規定等も明確で,能力に応じた給与がもらえるので,とても公平だと思っている。入社して2年経ったが,他の会社に移る気は毛頭ない」とのことばには,部外者ながら同じ日本人としてうれしくなりました。
 工場見学では,最新のMSCの設備や賦活炉での作業を見せていただいたり,従業員の方の生活区域や,工場の電力を一部まかなっている風力・太陽光発電を見せていただいたりしました。
 今回の訪問を通して,クラレケミカルが,設立から13年を経て,現地に溶け込み,従業員から信頼されながら発展を続けていることがわかりました。私たちも見習ってがんばろうと,気持ちを新たにした訪問でした。


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