寧夏で運転(2)違反処理
 前回は、中国ではカメラによって交通違反の取り締まりがなされていることをお話ししました。今回は、交通違反をしたらどうなるか、お話したいと思います。

 日本では、違反をするごとに罰則にしたがって処理をし、その次の免許更新の時、違反の回数や点数等に合わせて、自分が受けるべき講習を受ける、というシステムになっていると思います。その際、重要なのは、どの車で違反をしたか、ではなく、誰が違反をしたか、ですよね。しかし中国では、カメラによる取り締まりを行っているため、どの車が違反をしたか、が重要になってきます。車は毎年一回「審車」と呼ばれる審査を受けなければならないのですが、その車によってなされた過去一年間の違反を全て処理しておかなければ、その審査を受けさせてもらえません。そこで、審査期限の数日前に管轄の車両管理所に行って、その車の違反を調べ、処理します。ここで面白いのは、「誰がこの違反を起こしたか」が全く問題にならないことです。もちろん、事故を起こした場合はその場に警察が来ますので、誰が起こしたのかが明らかになりますが、カメラに写った程度の軽微な違反の場合、誰がその違反をしたかは問題にされません。ですから、一台の車が犯した違反は、複数人で分担することができます。例えば、免許証を持っている家族が3人いた場合、「今年の違反は全部で12点減点だから、一人あたり4点ね。」という減点の仕方ができるのです。(ちなみに、赤の他人であっても分担できます。)一年間一人あたりの所有点数は12点で、それ以上の減点となった場合、講習を受けなければなりません。ですが、減点が12点未満であれば一年で減点は帳消しとなり、次の年にはまたさらに12点所有することができます。いつ帳消しになるかは、免許の取得日によって異なりますので、例えば6月末に審査のために11点減点しても、免許の取得日が7月1日であればすぐに帳消しになります。さらに、2016年6月現在、寧夏の車両管理所では違反処理が携帯でできるアプリを推奨しており、必要な手続きをした上で当該アプリをダウンロードすると、過去1年間の3点以下の軽微な違反については罰金のみで減点されない(しかもいくつでも!)という画期的なキャンペーンをしています。アプリのダウンロードで交通違反が減点されないなんて、日本人の感覚としてはなんだか腑に落ちないのですが、これでアプリの普及が格段に進みそうです。

 このように、交通ルールに関する意識も違えば、制度も違うものだなぁと、こちらで生活していて思います。制度が違うから意識も違ってくるのかもしれませんが。


車両管理所

身分証があれば、違反処理も端末でできます


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