第4回寧夏日本文化友好祭

 去る5月15日・16日、寧夏大学構内にて、第4回寧夏日本文化友好祭が行われました。この日本祭は寧夏大学外国語学院が主催して行うもので、準備期間に2か月を費やし、お隣の北方民族大学の日本語科も参加して、盛大に行われました。島根大学も賛助として、パンフレットの配布を行いました。

スピーチコンテストの様子
 まず、第1日目となる15日には、メインイベントの日本語スピーチコンテストが行われました。寧夏回族自治区では、日本語を学生の専門として教える大学は現在のところ寧夏大学と北方民族大学しかなく、学生数も合わせて250人程度です。日本語学習者の規模があまり大きくないことと、寧夏にいる日本人も非常に少ないため、学生が日本語の学習成果を試す機会は多くありません。そのため、今回のスピーチコンテストは、またとない機会。1年生から4年生まで、合わせて32人の学生たちが、日ごろの成果を発表し合いました。スピーチコンテストの後は、学生たちによる日本文化紹介コーナーです。大連から来てくださった茶道の先生による茶道の実演、おにぎり作り、浴衣の着付け、日本の観光地の紹介、日本の伝統的な遊びを紹介するコーナーなど、さまざまなブースが作られ、学生たちでにぎわっていました。
浴衣ファッションショー
 2日目の16日は、北京剣道同好会の皆さんによる剣道の演武、学生たちの公演、国際交流基金の専門家による日本語能力試験説明会が行われました。特に学生たちの公演は、浴衣のファッションショーから京劇メドレー、中国武道まであって、非常に楽しめました。それぞれの学生がいきいきと輝いている瞬間でした。学生委員長の寧夏大学日本語科3年生、張晗さんは、「細かいところまで考えが及ばず、改善すべきところはたくさんありますが、学生のみなさんはよくがんばったと思います。来訪者のみなさんも楽しんでくれていました。」と感想を述べてくれました。

 2日間を通して特に感じたのは、学生たちが日本語を使い、楽しむ機会の重要性です。学んだことを使うという実践としての意味だけでなく、自分が話したことが相手に伝わり、相手が話したことが理解できたときのうれしさ、喜びを味うことができる機会をもっと増やすことができたら、と思います。また、今回の日本祭りの準備・運営の中で、学生たちは教科書に沿わない形でことばを用い、自分のことばでコミュニケーションをとる必要性に迫られました。このような、「話したいことがある」「話さなければならないことがある」という状況こそ、ことばの習得を促す一番いい方法ではないでしょうか。寧夏大学日本語科の吉田百里先生(青年海外協力隊員)は、「今回の日本祭りでは、悪戦苦闘して通訳をする学生、お茶や剣道の公演をキラキラした瞳で見つめる学生、浴衣を来てカメラの前で嬉しそうにポーズを取っている学生など、イキイキとした学生たちの姿を見ることができました。学生たちにとって日々の学習の力試しの場となり、直接日本人や日本文化に触れることで、より日本について深く理解する機会にもなったようです。また、北方民族大学日本語科と協力し合って開催したことによって、同じ日本語を学習する者通しの繋がりを強化することにもなったのではないかと思われます。個人的な感想としては、この祭りを通して、学生や、先生方との関係がより深くなったと感じられ、開催してよかったと感じました。」とおっしゃっていました。


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