塩池県の集落を訪問して

京都大学 大西 広   

 私は島根大学の皆様には大変お世話になり、今回の「島根大学・寧夏大学交流20周年記念国際シンポジウム」は、寧夏について多くを知る機会となった。 シンポジウムの会議そのものもそうであったが、シンポジウム後に一人で入った(もちろん通訳さんと共に)塩池という禁牧地域の様子をここでお伝えしたい。
 この地域では、ひとつの郷の5つの集落を一軒ずつ訪問し、そのうち農家を訪問したところでは、一年一人当たり所得が2000元強であり、これは南部山区の最貧地区の800元(昨年調査)を上回るため、同じ「国指定の貧困県」といっても大きな違いがある。 家も思ったより綺麗で、特に最後に訪問した農家に新品の家電製品がピカピカに輝いて並んでいるのには大変驚いた。 また、一軒の農家の娘が清華大学に入学したとか、近所の人が商売を大きくして街に出たとか、とてもウイグル族地域では聞けそうにない話を聞いたのにも驚いた。
 私は新疆ウイグル自治区の貧困農家の調査をしたことがあるので、彼らと回族との違いが最大の関心であったが、商売のアクティビティーについては回族が上であることを確認した。
 この調査の詳細はまた別の機会に報告したい。

 

 

 

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