小さいが大きい寧夏回族自治区

 中国(中華人民共和国)は、広大な国である。面積は、9,596,961万k㎡(台湾及び特別行政区の香港、マカオを除く)で日本の約26倍である。人口は、’05年1,315,844千人であるから、日本の約10倍である。
 中国の行政区で日本の都道府県に相当するのは省、自治区である。自治区とは区域内に少数民族が30%近く住んでいる省のことで、この場合は省とは呼ばず少数民族の自治区と呼称される。従って寧夏回族自治区の場合は、回族が約33%(その他モンゴル族、朝鮮族、満族なども)住んでいるので、少数民族・回族の自治が尊重される省(自治区)ということである。このほかに日本の政令指定都市に似た行政区で直轄市がある。政治、経済等の重要性から中央政府が直轄する市で、省と同格の特別市である。現在、23省、5自治区、4直轄市(北京市、上海市、天津市、重慶市)がある。(香港、マカオ、台湾を除く)

 ところで表題の件である。寧夏回族自治区が小さいというは面積のことである。28の省や自治区の中で、海南省に次いで小さいのが寧夏回族自治区である。
 最も大きな省(自治区)は、新彊ウイグル自治区で約160万k㎡(日本の約4倍)だ。以下、チベット自治区約122万k㎡、内モンゴル自治区約118万k㎡、青海省72万k㎡、黒龍江省約47万k㎡、四川省約49万k㎡、雲南省約39万k㎡。ここまでが日本の面積約38万k㎡より大きい。寧夏回族自治区は6.64万k㎡で、海南省の3.9万k㎡に次ぐ。新彊ウイグル自治区の1/24、直轄市の重慶市の8.2万k㎡よりも小さい。

 それでは、大きいとは何を指すのか。ここでは、友好県区協定を結んでいる島根県との比較である。
 島根県の面積は、6,708k㎡であるから、寧夏回族自治区のほぼ1/10である。人口も島根県の74.2万人に対して、約8倍の580万人である。
 松江市と友好都市協定を結んでいる寧夏の区都銀川市も9,579k㎡で、島根県都松江市の18倍、島根県全体よりも広い。人口は約113万人で、松江市の約6倍である。
 浜田市と友好都市協定を結んでいる石嘴山市の場合は、人口が石嘴山市の727,700人に対して浜田市は63,000人である。寧夏第3の都市と島根県の人口がほぼ等しい。
 ちなみに寧夏回族自治区の面積66,400k㎡は、いったいどの程度の広さであろうか。想像し難いので日本地図を思い浮かべてほしい。
 中国地方と四国地方を合計すると50,602k㎡である。寧夏はそれよりも大きい。中国地方と九州地方を合計すると73,989k㎡で、寧夏はそれより小さい。両者の中間である。行政区的には同格といえども、管轄区域の広さは驚くほど広い。

 島根県と友好関係を結んでいる寧夏をどのように想像するかは人によって違うであろうが、島根県の面積、人口より10倍も大きいことは知っておく必要がある。島根県庁が中国・四国を管轄しているようなものである。行政能力は相当のものであろう。
(2006年10月4日 文責:神田)

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