中国の冷蔵庫


 写真:中国の冷蔵庫
 皆さんは、写真を見てなんだと思われたでしょうか。ワインセラー? 違います。実は冷蔵庫なのです。あまり冷蔵庫らしくありませんね。 もちろん、日本と同じような冷蔵庫もあります。 しかし、このような冷蔵庫もあるのです。私たちの部屋に準備してあったのが、このタイプの冷蔵庫だったのです。
 この冷蔵庫の特徴は、冷凍庫がないこと、それほど低い温度で冷やすことを前提として作られていない事です。 もちろん、中国の人々が冷たいものを余り好まない、ということも、この冷蔵庫の存在を可能にしているのでしょう。
 中国の夏が、寧夏辺りでは35℃位にはなるにしても、湿度が低いため、比較的過ごしやすいということもあるのかも知れません。 とにかく、ほどほどの低さで、十分という考え方と、使用方法は、多くのエネルギーを使わないという面から考えれば、大変適切な考え方だと思われます。 ビールは、冷やさずに飲む。冷やす場合でも、日本のようにギンギンに冷やしたものを一気に飲むなどという飲み方をする人はいない。 ビールも水も少し冷えたぐらいで飲むのがおいしいということが中国で感じたことの1つです。

 私たちの世代が子供の頃(1950年前後)は、日本でもせいぜい氷の冷蔵庫(どんなものなのか今の若い人達には想像もできないかもしれません)しか無かったので、スイカやサイダー・ラムネ等も井戸水で冷やしていました。 それでその時代には十分だったし、不満はありませんでした。世の中が進むことの幸せは、大きな冷蔵庫に大量に食べ物や飲み物を入れて、冷凍室にはいつでも食べられる調理済み食品などを長期間入れ、残ったものは棄ててしまう、というような生活をすることなのだろうか、と改めて考えさせられました。
 シンプルな生活をすることも案外楽しい(省エネルギーで暮らすことは楽しい)のかもしれません。
 環境の時代を賢く生きる、ということは、どのような生活をすることなのだろうか、と考えると、この冷蔵庫が、大変好ましく思えてくるのではないでしょうか。
 (スモール・イズ・ビューティフル。最近耳にしなくなった言葉を久しぶりに思い出しました。)

 (2006年7月13日 文責:井口)

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