・・・キャンパスライフ・夏休み(その2) 夏休みでも結構にぎやかなキャンパスB区

 寧夏大学では、7月10日から夏休みに入り、学生はもとより全教職員が原則として登校しないことは、既に報告した(寧夏点描…キャンパスライフ)。
 確かに、20階建ての本部棟や研究室・教室、そして我々の寧夏共同研究所があるキャンパスA区は、休みに入ってほとんど人影を見ることはなくなった。教室にはそれぞれ大きめの南京錠がしっかりと掛けられ、場所によっては、まるで差押物件に貼るように細長い紙が斜めにべったり貼り付けられ、人を寄せ付けない雰囲気が漂っている。
 ところが、学生寮や教職員のアパートがあるB区(以前からあるキャンパス)では、7月20日になってもかなりの学生がいる。休み前より数はずっと少ないが、小さな運動場ではたくさんの学生がバスケットやサッカーを楽しんでいる。島根大学の平日の人出よりも多い感じである。

 理由は大きく言って2つある。
 中国の大学と日本の大学の大きな違いのひとつは、学生は全寮制であること、キャンパス内には教職員のアパートがあり、教官や事務職員以外にも大学運営に必要なかなりの職種の職員が住んでいることである。退職した人やその家族も生活している。早朝から、そういう人が行き来する。つまり、キャンパスB区は大きな生活空間を持つ1つのコミュニティでもあるのだ。
 学生は夏休みになると寮を空けなければならないが、コンピュータなどの専門学校に通ったり、アルバイトをする場合は届け出て寮に残ることが許される。そういう学生がまだ相当数居残っている。

 2つ目の理由は、7月に1年生を終了し、この9月から2年生になる学生は、夏休みの初めに軍事訓練を受けなければならないことである。今年は、7月8日から7月28日までの20日間である。寧夏大学全日制の学生(本科生、専科生)の総数は19,495人(‘05年9月現在)と発表されているから、単純に平均しても4,900人近くの学生が軍事訓練に参加していることになる。その内の約1,200人がB区に寝泊りして訓練を受けている。
 そういう訳で、キャンパスB区は夏休みの閑散とした雰囲気はまったくない。
 迷彩服の学生たちが10数組に分かれて、キャンパス内のあちこちの道路や空き地で軍事訓練を受けている。そのすぐ横を普通の学生やキャンパス内に住むおじさん、おばさん、子供たちが、平然と通り過ぎていく。毎日ある極々日常の風景であるかのように、特別な関心を払うわけでもない。やっぱりここは、中国なのだ。

(2006年7月30日 文責:神田)

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