・・・キャンパスライフ① 寧夏大学の夏休み(その1) -籠の鳥状態を免れる

 中国の大学は、日本より約1ヶ月も早く夏休みにはいる。ここ寧夏大学でも7月10日(月)から(実質的には8日)から夏休みに入り、8月26日(土)(実質的には28日)に新学期が始まることとなっている。
 夏休みに入ると学生はもとより、原則的には全教職員が学校には出て来ない。旅行に行ったり、出張があったりで連絡が取りにくくなるという。6月21日の研究所スタッフ定例打合せ会で知った。寧夏共同研究所の利用規定やホームページの原稿など急がなければならなくなった。
 7月5日(水)の打合せ会では、我々島根大学側の現地駐在員の夏休み中の食事と安全確保が話題となった。というのは寧夏共同研究所のあるキャンパスA区は、学生の宿舎や教職員のアパートなどの生活空間はまったくなく、事務所と教室があるだけで、休みになれば来訪者は殆どない。また、食事ができる食堂街まではキャンパスB区を通り抜け、歩いて約20分はかかるのだ。
 そこで寧夏大学対外交流処が考えたのが、食事は毎食、大学の招待所(大学が経営する宿泊施設)から配達する、安全対策として若い研究員を交代で日直及び宿直に当てるというものである。これまでも、昼間勤務と宿直のおばさんが合計3人もいるのにその上にこの措置である。2人に対して5人がかりだ。
 食事については、これまでも毎食配達してもらっていたが、量が多くて食べきれないし、街の食堂で自由に食べたいという理由もあって、しばらく前から朝だけの配食にしてもらっている。
 そこで、私たちは逆に提案した。夏休みから配食は全てやめる。若い研究員の日・宿直も必要ないと。張副所長は、衛生面、安全面で万一のことがあったら私の責任と主張する。
 しかし、やはり少し過剰ではないか。まるで籠の鳥状態ではないか。
 結局、私たちの主張を対外交流処に伝えることになった。結論の報告はなかったが、私たちの主張は受け入れられたようで、食事の配達も、若い職員の宿・日直もない。籠の鳥状態は免れたようだ。
 朝6時半頃、散歩がてらに街まで出かけ、街頭の食べ物屋さんで銀川市民が出勤前に食べる簡単な朝食(豆腐脳(おぼろ豆腐)や豆乳、餅子(ビンズ)や包子(ボウズ)、油条など)を食べる。夕方7時頃になると、小さな食堂で銀川市民に混じって銀川市民と同じものを食べる。
 街に出ると人々の暮らしが手に取るように分かる。夏休みが思わぬ楽しみをもたらしてくれた。寧夏共同研究所が街から離れているために、日頃はどうしても研究所に閉じ篭りがちになる。銀川市民の生活にじかに触れる機会が多くなったことは楽しいことである。1日も早く寧夏市民の日常生活の風景に自然に溶け込んでいきたいと思う。

(2006年7月28日 文責:神田)

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